風営法ガイドブック

風営法の規制を受ける業界の法令ガイドブック

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風俗営業1号キャバクラ(社交飲食店)の営業許可を取得するかどうかで悩んでいる人へ

風俗営業許可を取るかどうかで悩んでいる方へ

もしかすると、あなたはすでに飲食店を開業しているか、またはこれから開業しようとしていて、キャバクラスナックホストクラブガールズバーなどの営業を開始しようと考えておられますか。

もしそうなら、次の4つのポイントを検討すればよいでしょう。(☆許可取得の流れについてはこちらを)

 


ポイント1 風俗営業許可を取得したらどうなるか


公安委員会警察)から風俗営業の許可を受けると、次のような面倒が生じます。これが全てではありませんが、開業を決断する前に覚悟してほしいことのみ説明します。

管理者の選任と管理者講習が面倒です

事業者は風俗営業許可を申請する前に管理者(店長)を選任しますが、管理者になれる人の要件として次の3つの要件すべてを満たさなければなりません。

  • 身分欠格要件(過去5年間に警察沙汰があった人は念のため確認しましょう)に該当していないこと
  • ほかの店舗の管理者を兼任していないこと
  • 営業所に通勤できる距離内に住んでいること

管理者さんは定期的に(おおむね3年に1回)管理者講習に参加して半日時間を費やすことになります。講習は原則としてサボれませんし、日時は一方的に指定されます。

営業時間が制限されます

風俗営業営業時間が制限されます。一般的に午前6時から夜0時までの営業ですが、「特別の日」又は特定の地域では例外的に深夜1時まで営業できる場合があります。

構造設備維持義務と変更承認申請が面倒

許可を受けるにあたって、営業所内の構造設備規則で定められた基準を満たしていることを警察実地検査確認します。許可を受けた当時の構造設備の状況維持しなければならず、重大な構造設備の変更(カウンターや壁の変更など)をするときには事前に公安委員会の承認が必要になります。これに違反(無承認変更という)すると、最悪の場合は逮捕、罰金、営業停止となります。

客引き禁止

深夜でなくとも、客引きをすると、とても厳しく取り締まられます。即逮捕あり。

★参考ページ 風営法による客引きの禁止

警察職員等の立ち入りが多くなる

警察職員の立ち入りが増え、従業者名簿の内容や、営業許可証の掲示などをチェックされます。まれに公安委員会への報告を求められたりもします。

とりわけ従業者名簿をやたら厳しくチェックされ、不備があると指示処分を受けるので、従業者名簿と身分確認資料の保存はとても重要ですが面倒です。

変更届け出義務などの手続きが少し煩雑

店名変更経営者の住所氏名法人なら社名又は本店所在地のの変更などがあったら公安委員会(警察)にその変更を届け出なければなりません。深夜酒類提供飲食店も同じ義務があります。しかし、深夜酒類提供飲食店営業では、管理者制度構造設備に関する承認申請手続きはありません。

 

私見:おそらく、一番気になるのは営業時間のことでしょうね。

確かに、法令で許容されていない時間帯風俗営業を行うことは風営法違反(時間外営業)です。しかし、無許可営業と時間外営業とでは、その処罰の重さが天と地の開きです。

したがって、営業時間を気にするよりも、風俗営業許可を取って風俗営業者になる方が正解です。

「それにしても風俗営業は面倒だ。無許可営業しようかな。」なんて思いましたか?

では、次のポイントを検討しましょう。

 


ポイント2 風俗営業許可を取得しないで風俗営業を行うリスク


あなたには、無許可で営業する(違法)か、又は、風俗営業をしないで営業する、という選択肢が、一応はあります。

しかし、無許可風俗営業を行った場合、警察に摘発されたら、最悪の場合は、いきなり逮捕→書類送検→罰金、そして飲食店営業の営業停止処分となります。運がよければ、指導警告を受けてから営業を中断することになります。

確率が高いのは逮捕罰金の方です。しかも、許可申請中の摘発も珍しくないので、許可が出るまでは待っていただくことになります。

風俗営業をしないのであれば、あなたの考えている営業方法で開業が可能か、つまり商売が成り立つかどうか、を検討してください。

そして、もしあなたがキャバクラスナックホストクラブガールズバーに類似する営業を考えている場合は、ズバリ、その営業で接待を行うかどうかにかかってきます。

詳しくはこちらを→ 風俗営業1号~

社交飲食店と深夜酒類提供飲食店のどちらを選ぶか - 風営法ガイドブック

 




ポイント3 風俗営業許可を取得できるのか


公安委員会(警察)風俗営業許可を出すかどうかは次の3つの要件で決まります。

 

営業所の場所の基準を満たしていること

営業所が商業地域にあって、営業所の付近(100メートル以内で、都道府県条例により制限距離はいろいろ)に保全対象施設学校児童福祉施設病院その他いろいろ)がなければOKです。

営業所所在地の用途地域によっても異なりますが、用途地域は、そこの管轄の市区町村のホームーページか、都市計画課に電話で問い合わせれば教えてもらえます。店舗所在地とビル名を確認してから電話しましょう。

詳しくはこちらを→ 風俗営業の場所の基準

 

店内の構造設備の基準を満たしていること

客室が洋風1室のみの場合か、又は2室以上でもそれぞれの床面積が16.5㎡以上なら、おおむねOKです。ただし、客室内の見通しを妨げるような構造(床からの高さ100センチ以上の設備は壁扱い)になっていたり、一定の設備が存在するとき問題ありの可能性がありますが、客室の形状(平面図で見たとき)が単純で四角くい見通しのよい普通の飲食店なら多分OKです(地域によってはけっこうもめます)。但し、照明器具の調光器があるとNGなのでご配慮ください。

 

事業者自身(法人なら監査役を含む役員全員)と管理者が欠格事由に該当していないこと

過去5年以内に法令違反処分を受けたことがなく、成人していて、普通に生活できる善良な市民ならOKです。

以上は、風営法に定められた風俗営業許可の要件ですが、このほかにいくつか気にしてほしいことがあります。

用途地域建築基準法の問題

用途地域近隣商業地域の場合は、建築基準法上の問題があります。(※ブログ風営法について思う 近隣商業の2号をどうするか 料理店と飲食店の違いとは

場所の基準で関係してくる保全対象施設は、あなたがそれについて調査したあとに出現している可能性があり、もし保全対象施設の存在があとで発覚したら、まだ許可が出ていないのであれば不許可となりえます。

営業所の所有者(貸主)からの協力が必要

営業所を賃借する場合は、貸主からの協力が必要です。公安委員会に使用承諾書などを提出することになるからです。使用承諾書では「風俗営業を行うことを承諾する」という内容が書いてありますが、物件所有者の中には風俗営業を好まない人もいるので、使用承諾書を作成してもらえない可能性があります。よい物件が見つかったら、風俗営業挙を申請することを物件オーナーに伝えて、手続きに協力してもらえるよう了解を取る必要があります。

このほか、いろいろな特殊な事情許可を受けられない場合がありえますが、一般的ではないのでここでは省略します。




ポイント4 風俗営業許可を取得するための時間と費用


許可取得までにかかる時間

風俗営業許可取得するには、警察での許可申請までの準備にかかる時間が早くて半月(飲食店許可も必要な場合が多いし)ほどで、何か特殊な事情がからめば、さらに時間がかかります。

これは店内の構造設備を工事しない場合の話であって、もし店内設備を変更する場合であれば、工事等の事情によって、その分、店舗平面図等の準備が遅くなってしまうことになります。

警察に許可申請してから許可取得までにはおおむね二か月ですが、それ以上かかるケースがあります。

開業の企画からオープンまでの段取り注意点については、こちらのコーナーをご覧ください。

*1

 

営業所の賃貸契約にかかる費用負担

テナントを借りるための保証金、礼金仲介手数料などです。風俗営業許可がでるまでは風俗営業を行えませんが、許可がでるまでの期間中も賃料が発生してしまいますので、この費用負担を覚悟する必要があります。様々なリスクを想定して、テナントを管理する不動産屋等にいろいろ確認してください。少なくとも、物件を決めてから風営法のことを勉強するといったことは、あまりに危険なので、そういう方が周りにいたらアドバイスしてあげてください。

営業所の内装費用の負担リスク

これはいろいろです。居ぬきで内装や家具備品一式を引き継ぐ場合もありますし、足りない備品を追加購入したり、自身で模様替えしたりすることもあります。

なお、内装費用をかける際には、いくつか注意点があります。

風俗営業許可が出ない可能性があります。いま営業中の店舗が許可を受けていても、現在は許可が出ない場所になっているということは実際にあるのです。

店内の構造設備現在の行政解釈では違法とみなされていることもあります。

内装費用をかける場合は、不許可になった場合の損害が大きいため、いくつかの工夫をしていただきたいです。

風俗営業の許可を受ける費用がかかります

公安委員会に許可申請する際の手数料24000円パチンコ店はのぞく)です。

行政書士許可申請手続きを依頼する場合には、その報酬が別途かかります。

行政書士の手続き報酬は、営業所の場所大きさ構造設備の状況お客様のご協力の程度その他の事情によって処理時間やリスクが異なりますが、ごく一般的で問題がないケースであれば、15万円~20万円程度となることが多いです。地域によっても異なります(手続の手間がいろいろなので)。

これに公安委員会の手数料と消費税のほか、事務処理にかかる建て替え費用(各種証明書の交付手数料等)が加算されます。

 

その他

以上のほか従業員の募集人件費広告宣伝の費用などがかかる場合があるでしょう。

 

さて、これで4つのポイントをご覧いただきましたが、まだ何か気になる、ということでしたら、下記までお電話でお尋ねください。風営法担当(日野:ひの)を呼び出していただければ対応いたします。

 

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風営法担当者が不在のときは、電話対応スタッフにご連絡先をお伝えいただければ、折り返しかけさせていただきます。

長年にわたって風俗営業を支援してきたので、お客様へのアドバイスと雰囲気のやわらかさでは負けません。

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