パチンコ店営業の風営法解説:もくじ
<風営法初級> 営業の基本ルール
⑬酒たばこの取り扱い ⑭構造設備基準前編 ⑮構造設備基準 後編
<風営法中級> 制度と手続
①株式会社の仕組み ②警察行政 ③許可の意味 ④風俗営業許可手続
<風営法上級> 総合的な理解
風適法に違反した場合の処罰 行政処分と刑事処分
刑事処分と行政処分
風営法その他の法令を違反した時のペナルティにはおおむね2種類あります。
一つは刑罰を課すための「刑事処分」であり、もう一つは「行政処分」です。
刑事処分
風営法の遵守事項の中には罰則が定められているものが多くあります。
罰則規定のある法令に違反した時には、司法警察職員(一般的には警察)による犯罪捜査、そして書類送検後の検察官による起訴から刑事裁判、という刑事訴訟法の流れに従って処理され、最終的には懲役や罰金、科料などの刑罰が科されます。
殺人や窃盗などに対する処分と同様、司法が下す処分です。
なお、罰則規定に違反して刑事処分を受けたからといって、行政処分が課されないわけではありませんのでご注意ください。
行政処分
行政庁が風俗営業者に許可を出し、適正に営業がなされるよう指導監督することが都道府県公安委員会の役割ですが、もし風俗営業者が法令に違反した場合には、「許可取消し」「営業停止」「指示」という3つの処分を行うことができます。
行政庁によるこれら一連の行為を「行政処分」と言いますが、営業許可をだすことも行政処分です。
つまり、行政庁が行う判断という意味です。
行政処分の詳細は法令違反の内容と、その違反状況によって異なり、各都道府県公安委員会は警察庁が定めたモデル処分基準を目安にして処分を行ないます。
風営法第8条の営業許可の取消し
風営法の第8条では公安委員会が許可を取り消しできる場合を4つあげています。
これらは風俗営業の適正化のための段階的処分ではなく、制度として許可を与えておくわけにゆかないようなケースをとりあげています。
①偽りその他不正の手段により当該許可又は承認を受けたこと。
②第四条第一項各号に掲げる者のいずれかに該当していること。
③正当な事由がないのに、当該許可を受けてから六月以内に営業を開始せず、又は引き続き六月以上営業を休止し、現に営業を営んでいないこと。
④3月以上所在不明であること。
「②」はいわゆる人的欠格要件です。風俗営業の許可を受けるために満たすべき要件のことで、風俗営業の経営者又は役員等が該当していてはならない要件を意味します。
<欠格要件に該当した場合>であっても、すみやかに是正、回復することができ、かつ、現に是正、回復している場合等で、悪意がない又はごく軽微な違反である場合を除き、許可を取り消されることがあります。
たとえば役員就任後に、その役員が人的欠格要件に該当していたことが判明しても、法人が速やかにその役員を解任する手続を始めている場合は、許可取消しに至ることは通常ありません。
なお、平成18年5月から施行された改正法では欠格事由が拡大され、たとえば承認なしに構造設備を変更し営業するなどの行為によりされた罰金刑に処された法人又は経営者は欠格事由に該当することになりました。
③.」の規定における「正当な事由」の解釈については、「経済情勢の変化や自然災害の発生等許可を受ける時点では予測し得なかった事態が発生したこと等営業を開始できない、又は営業を休止せざるを得ないことについて合理的な理由がある場合をいう。したがって、単なる経営不振や資金入手の見込み違いにより営業の開始又は再開が見込めない場合については「正当な事由」にあたらない」とあります。
☆行政処分の量定表(のぞみ合同事務所)↓
http://thefirm.jp/P-PDF201301.pdf
風営法第26条の行政処分
第26条では、業務の適正化のため、違反の程度に応じて行政処分を行います。
次の場合には、公安委員会は風俗営業の許可を取り消し、又は六月を超えない範囲内で期間を定めて当該風俗営業の全部若しくは一部の停止を命ずることができます。
①法令及び条例に違反し、しかも著しく善良の風俗もしくは清浄な風俗環境を害し、又は少年の健全の育成に障害を及ぼすおそれがあると認めるとき
※風俗営業者が営業に関して法令違反をしたことに対して行う処分です。営業許可を与えた公安員会としては、違反した事業者に対して「許可を返せ」と言えるし、お仕置きとして「営業をしばらく停止せよ(6か月以内ですが)」とも言えるし、軽微な違反については「こいう改善をせよ」などと指示をすることができます。
※公安委員会が営業停止又は指示の処分をした後で、営業者がその処分に従わないで営業を継続したり、指示を守らなかった場合には、公安委員会はさらに重い行政処分を下すことができます。
※風俗営業を許可するとき、又は風俗営業者に特殊な事情(保全対象施設が営業所付近に開設されたなど)が生じたときには、公安委員会は許可に条件を付すことがあります。その条件に違反する行為が行われたときは、公安委員会は行政処分を下すことができます。
営業許可の取消し、営業停止、営業禁止命令、営業廃止命令
営業をできなくするための処分は営業の種別に応じて形態と呼び方が異なりますが、考え方はほぼ同じです。
風俗営業であれば「許可の取消し」がありえますが、ここではこれらの行政処分(営業停止、営業禁止命令、営業廃止命令を含めて)について「許可の取消し等」と表現します。
法令違反があった場合でも、通常はすでに指示処分が行われ、その指示処分に従わない場合に「許可の取消し等」となりますが、次のような場合は健全営業の見込みがないということで、ただちに「許可取消し等」の処分を下すことがあります。
①短期間に同じ違法行為を繰りかえすなど、行為が悪質な場合
②指導や警告を無視し、指示処分では改善の見込みがない場合
③指示処分の期間中に、当該指示処分には違反していないが、当該指示処分の処分事由にかかる法令違反行為と同種の法令違反行為をおこなった場合
④罰則の適用がある法令の違反で検挙され、起訴相当で送検された場合
⑤短期20日以上の量定に相当する処分事由にあたる違反行為の場合
モデル処分基準
営業停止の処分は6月を超えない範囲でなされますが、停止期間は違反行為の程度によって異なり、モデル処分基準(別表)の量定が根拠となります。詳細は下記リンク「処分の量定」の警察庁資料をご覧ください。
なお「営業停止」「許可取消し」等の場合は公開の聴聞手続を経て処分がなされ、指示については弁明の機会が与えられます。
指示処分
「指示」は違反の防止及び違反状態からの改善のための措置を示すもので、営業者の自主的な努力を促すための行政処分です。
指示通りに対応すればそれでよいのですが、特例風俗営業者の認定を受けるためには過去10年間に指示処分を含めた処分が無いことが要件とされています。
また、同種の違反行為を短期間に繰り返した場合は営業停止などの重い処分を受けることにいなります。
「指示」は比例原則にのっとって、営業者に過大な負担を課さないように行います。
また、指示の内容は、違反状態の解消のための措置、将来の違反の防止のための措置等を具体的に示されます。
「一定期間内に〇〇をして報告せよ」という指示もありますが、その一定期間内に報告できなければ指示処分違反という別の違反となりますので、指示を受けた場合は指示内容をよく見て、指示されたことを確実に実施してください。
重い処分になりやすいとき
営業中に次のような行為を行ったときは営業停止以上の処分を受けやすい傾向があります。
年少者(18歳未満)を雇って客に接待させたとき。
客引き
構造設備又は遊技機の無承認変更
広告宣伝規制違反を短期間に繰り返したとき
これ以外の違反でも営業停止がありえるということはご理解ください。
◎関係法令抜粋
風営法法第八条 公安委員会は、第三条第一項の許可を受けた者(第七条第一項、第七条の二第一項又は前条第一項の承認を受けた者を含む。第十一条において同じ。)について、次の各号に掲げるいずれかの事実が判明したときは、その許可を取り消すことができる。
一 偽りその他不正の手段により当該許可又は承認を受けたこと。
二 第四条第一項各号に掲げる者のいずれかに該当していること。
三 正当な事由がないのに、当該許可を受けてから六月以内に営業を開始せず、又は引き続き六月以上営業を休止し、現に営業を営んでいないこと。
四 三月以上所在不明であること。
第二十五条 公安委員会は、風俗営業者又はその代理人等が、当該営業に関し、法令又はこの法律に基づく条例の規定に違反した場合において、善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害し、又は少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれがあると認めるときは、当該風俗営業者に対し、善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為又は少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため必要な指示をすることができる。
第二十六条 公安委員会は、風俗営業者若しくはその代理人等が当該営業に関し法令若しくはこの法律に基づく条例の規定に違反した場合において著しく善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害し若しくは少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれがあると認めるとき、又は風俗営業者がこの法律に基づく処分若しくは第三条第二項の規定に基づき付された条件に違反したときは、当該風俗営業者に対し、当該風俗営業の許可を取り消し、又は六月を超えない範囲内で期間を定めて当該風俗営業の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
2 公安委員会は、前項の規定により風俗営業(第二条第一項第四号、第七号及び第八号の営業を除く。以下この項において同じ。)の許可を取り消し、又は風俗営業の停止を命ずるときは、当該風俗営業を営む者に対し、当該施設を用いて営む飲食店営業について、六月(前項の規定により風俗営業の停止を命ずるときは、その停止の期間)を超えない範囲内で期間を定めて営業の全部又は一部の停止を命ずることができる。
風俗店ソープランド摘発の背景|働く女性は処罰されるのか
もくじ
- もくじ
- ソープランドの摘発の背景にある法的問題
- ソープランドは性風俗関連特殊営業
- 性風俗関連特殊営業は誰でも開始できる営業
- 性風俗関連特殊営業の法令違反に対する処分
- 店舗型性風俗特殊営業(約7000件)
- ソープランドとファッションヘルスの違い
- ソープランドで働く女性は処罰されるのか
- 売春関係事犯取締の過程等において発見された要保護女子の取扱い
- 要保護女子とは
- 無店舗型性風俗特殊営業
- デリバリーヘルス(約20000件)
- アダルトビデオ等通信販売(約1300件)
- 店舗型性風俗特殊営業が守るべきルールと営業停止期間
- 営業者の義務
- 禁止行為(28条12項ほか)
ソープランドの摘発の背景にある法的問題
ソープランドなどの風俗店は風営法の規制を受け、頻繁に警察の摘発を受けます。ソープランドとファッションヘルスの法的な位置づけの違い、そこで働く女性は処罰されるのか、などについて風営法と売春防止法の観点から解説します。
続きを読む風俗営業者や風俗店の法令違反に対する指示、営業停止、許可取消しなどの行政処分
風俗営業者に対する行政処分と刑事処分
風俗営業者に風俗営業の許可を与えるのは都道府県公安委員会です。都道府県公安委員会は風俗営業者に対し、風営法にもとづいて、指示、営業停止、許可取り消し、などの処分を行うことができます。これを一般的に「行政処分」と呼んでいます。
一方で、公安委員会は犯罪行為に対し刑罰を科すため、刑事訴訟法にもとづいて司法警察機関として犯罪捜査を行う場合もあります。この場合は、書類送検⇒起訴⇒刑事罰という流れになりますが、刑事罰を刑事処分とも言います。行政処分と刑事処分は同時に進行することがあります。
例えば、遊技機の無承認変更の場合、行政処分として風営法26条にもとづく6か月の営業停止処分、そして刑事処分としては変更を行った店長に対し罰金刑、といった具合です。
指示
風営法第二十五条 公安委員会は、風俗営業者又はその代理人等が、当該営業に関し、法令又はこの法律に基づく条例の規定に違反した場合において、善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害し、又は少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれがあると認めるときは、当該風俗営業者に対し、善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為又は少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため必要な指示をすることができる。
都道府県公安委員会は、法令違反を行った風俗営業者に対し必要な指示を行うことができます。風俗営業の業務上の違反行為を自主的に是正させることで適正営業に導くためです。
指示は、違反状態の解消のための措置や違反防止のための措置等を具体的に示して行われます。
例えば、店内に著しく射幸心をそそるおそれのある行為が行われていることを表す<のぼり>を立てていたという場合には「速やかに当該のぼりを撤去すること。」といった指示内容となります。
客室内の見通しを妨げる設備を設置していた場合には「客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと、その他営業所の構造及び設備の技術上の基準を遵守すること。」のような指示内容が想定されますが、再度の違反を防止するための措置や、改善後の報告を求めるような内容になることもあります。
指示処分のデメリット
公安委員会から指示を受けた場合には次のようなデメリットがあります。
まず、風俗営業者が指示を受けてから3年以内に同種の違反行為を行った場合には、営業停止処分の際に比較的重い処分を課せられる可能性がありますし、一度指示を受けた風俗営業者は、全店舗についてその後10年間にわたって特例風俗営業者の認定を受けられなくなってしまいます。
すでに特例風俗営業者の認定を受けている場合には、指示を受けたことによってその認定を取り消されることになりますので、近く予定している店舗リニューアルを構造変更承認申請でなく変更届出で済まそうとしていた場合には、リニューアル計画に狂いが出るなどのダメージが想定されます。
たかが指示されるだけの処分とは言え、処分を受けないよう注意するに越したことはありませんし、指示を飛び越して営業停止処分を受ける恐れがない訳ではありません。
指示処分違反
指示処分を受けた後で速やかな改善が行われなかった場合には、指示処分違反として重い処分を受ける恐れがあります。
たとえば、広告宣伝規制に関する指示処分に違反した場合の営業停止処分は、40日以上6月以下、基準期間3月(量定B)の営業停止等命令が想定されますが、その指示のとおりに違反部分を改善していれば、それ以上の問題にはなりません。
風営法26条による許可の取消し
原則として、最初の違反行為に対しては行政指導や指示により対処することとし、行政指導や指示によっても自主的な健全化が期待できない場合や、悪質な違反行為があった場合については、営業停止や許可取り消し、刑事罰など、より重い処分を課すこととなっています。
風営法第二十六条
公安委員会は、風俗営業者若しくはその代理人等が当該営業に関し法令若しくはこの法律に基づく条例の規定に違反した場合において著しく善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害し若しくは少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれがあると認めるとき、又は風俗営業者がこの法律に基づく処分若しくは第三条第二項の規定に基づき付された条件に違反したときは、当該風俗営業者に対し、当該風俗営業の許可を取り消し、又は六月を超えない範囲内で期間を定めて当該風俗営業の全部若しくは一部の停止を命ずることができる
行政処分の量定
公安委員会が風俗営業者に対し風営法26条にもとづく法令違反処分を行う際に、どの程度の期間の営業停止処分にするか、といったことを判定する目安があります。
警察庁がAからHまでの違反の種類を分類してランク付けしたものです。
詳しくは下記リンク先のブログをご覧ください。
弁明通知書
風俗営業者が公安委員会から指示をされるとき、その前の段階で弁明通知書を交付されます。
これは公安委員会が風俗営業者に対して不利益処分を行おうとするとき、行政手続法の規定にもとづいて、弁明の機会を与えなければならないからです。
あなたは何日までの間に弁明することができますよ。
と通知した書面が弁明通知書です。
弁明とは、指示という行政処分を受けることに対する反論ですから、指示に対して不服がない場合は弁明しなくてよいのです。つまり、弁明しない場合は、何もしないで放置すればよいです。
ただし。。。弁明通知書がどういうわけか始末書の代わりとして利用されているケースがありますのでご注意を。
行政手続法
(弁明の機会の付与の方式)
第二十九条 弁明は、行政庁が口頭ですることを認めたときを除き、弁明を記載した書面(以下「弁明書」という。)を提出してするものとする。
2 弁明をするときは、証拠書類等を提出することができる。
(弁明の機会の付与の通知の方式)
第三十条 行政庁は、弁明書の提出期限(口頭による弁明の機会の付与を行う場合には、その日時)までに相当な期間をおいて、不利益処分の名あて人となるべき者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。
一 予定される不利益処分の内容及び根拠となる法令の条項
二 不利益処分の原因となる事実
三 弁明書の提出先及び提出期限(口頭による弁明の機会の付与を行う場合には、その旨並びに出頭すべき日時及び場所)
風俗営業の場所の制限
風俗営業の場所の制限
風俗営業の許可申請を行う営業所の場所が都道府県の条例で定める地域内にあるときは許可を受けられません。
風営法第4条第2項
公安委員会は、前条第一項の許可の申請に係る営業所につき次の各号のいずれかに該当する事由があるときは、許可をしてはならない。
一 (省略)
二 営業所が、良好な風俗環境を保全するため特にその設置を制限する必要があるものとして政令で定める基準に従い都道府県の条例で定める地域内にあるとき。
上記でいうところの条例は一般的に「風営法施行条例」と呼ばれています。
この条例の中で営業所の設置制限に関する規定があります。その内容は都道府県ごとに異なるため、それぞれの都道府県の風営法施行条例を確認する必要があります。
以下は神奈川県の事例を紹介します(神奈川県警HPより)。
○住居専用地域・住居地域 (準住居地域を含む。) に営業所を設置することは原則として制限されています。
《制限が除外される地域》
○保全対象施設として指定された施設の周辺に営業所を設置することは制限されています。
保全対象施設(建設予定地を含む。) | 制限距離 |
---|---|
学校 (大学を除く。) | 100メートル |
大学、図書館、児童福祉施設並びに病院及び診療所 (患者を入院させるための施設を有するもの。) |
70メートル (営業所が商業地域に所在するときは、30メートル) |
用途地域による制限
建築基準法の用途地域による制限です。用途地域は管轄する市区町村のWEBサイト、又は建築指導課等で確認することができます。
建築基準法の用途制限と、風営法施行条例の制限の両方を順守する必要があります。
近隣商業地域で風俗1号営業を許可申請しようとする場合は、複雑な問題があるのでご注意ください。
保全対象施設とは
保全対象施設施設から規定の距離内にある営業所では、風俗営業が許可されません。この場合の保全対象施設とは、都道府県の風営法施行条例の規制のなかで保全対象施設として定められている施設のことです。
よくある事例としては、学校、病院、診療所、児童福祉施設、図書館などですが、都道府県によって様々です。
保全対象施設の用に供するものと決定した土地
重大な注意点として、<保全対象施設の用に供するものと決定した土地>も保全対象施設とみなす規定がある、ということをご理解ください。つまり、まだ学校が存在していない土地であっても、将来そこに学校が開校されることが決まっていれば、そこは学校の敷地、つまり保全対象施設とみなされるのです。よって、保全対象施設の調査あたっては、調査時点で現存している施設だけでなく、将来設置される予定についても確認する必要が生じることがあります。
営業所の周囲の略図
風俗営業許可申請においては、営業所所在地の用途地域や保全地域施設との関係性を示し、当該営業所が許可を受けられる場所に所在していることを示す図面を提出します。これを「営業所の周囲の略図」と言います。これを作成するためには営業所の用途地域や周辺の保全対象施設の有無等について調査する必要があります。専門的な知識のない人がこれを作成することが難しい場合が多いです。
開業後に保全対象施設が出現した場合
風俗営業許可を取得した後で、営業所の近くに保全対象施設が設置されることがあります。この場合は、風俗営業の継続は可能ですが、公安委員会がその保全対象施設の存在に気がついた場合には、「許可の条件」を付与する行政処分を行うことがあります。
「許可の条件」は営業所の拡張を制限する内容になり、それに反する行為を行うと許可条件違反という風営法違反行為として処罰の対象となります。
どのような場合にそうなるかは微妙な問題をはらむので、気になる場合は弊社にお尋ねください。