風営法ガイドブック

風営法の規制を受ける業界の法令ガイドブック

風営法ひとすじ20年 のぞみ合同事務所風営法担当 ℡042-701-3010 へ

社交飲食店と深夜酒類提供飲食店のどちらを選ぶか 間違えると逮捕罰金

社交飲食店と深夜酒類提供飲食店のどちらを選ぶか

社交飲食店と深夜酒類提供飲食店のどちらを選ぶか

 

風俗営業か深夜酒類提供飲食店か

スナックバーを経営している方からよくご相談を受けるのは、「風俗営業(社交飲食店)の許可を取るかどうか」という悩みです。それはズバリ、「接待をするかどうか」によります。

接待をする飲食店風俗営業の許可を受けなければなりません。風俗営業の許可を受けるには時間(準備を含めると3か月程度か)も費用(20万くらい余計に)もかかりますし、許可後管理者講習変更届出警察の立ち入りへの対応など面倒なことがいろいろありますが、接待をするなら風俗営業許可を取るのが正解です。

 

風俗営業を選ぶと深夜営業ができなくなる?

よく言われるのは「風俗営業になると夜0時を過ぎての営業ができなくなる」という話ですが、風俗営業無許可営業摘発されれば逮捕罰金、その後5年間にわたって風俗営業の経営に関与できない、という悲惨な結果になります。

もし風俗営業許可を取得して、仮に深夜まで営業していた場合、これは法令で許容されていない時間に営業したという、いわゆる「時間外営業」となりますが、行政処分の基準では、よほど悪質な場合でなければ、いきなり営業停止処分にはなりませんし、逮捕されるということもまずありません。

ならば、「接待とはなにか」がとても重要なテーマとなりますね。

接待の定義

接待の定義

接待とは?

警察庁風営法解釈運用基準の「接待の定義」をもとに説明します。

接待は「歓楽的な雰囲気をかもしだして客をもてなすこと。」とありますが、これではよくわかりません。

具体的には次の(1)から(4)にあたると接待です。

(1)客の近くにはべり継続して談笑の相手となったり、酒等の飲食物を提供したりする。

ただし、お酌をしたり水割りを作って速やかにその場を立ち去る行為、客の後方で待機し、又はカウンター内で単に客の注文に応じて酒類等を提供するだけの行為、及びこれらに付随して社交儀礼上の挨拶を交わしたり、若干の世間話をしたりする程度の行為は、接待に当たらない。

(2)ショーを見せたり聴かせたりする。

ただし、ホテルのディナーショーのように不特定多数の客に対し、同時に、ショー、歌舞音曲等を見せ、又は聴かせる行為は、接待には当たらない。

(3)客の近くにはべり、その客に対し歌うことを勧奨し、若しくはその客の歌に手拍子をとり、拍手をし、若しくは褒めはやす行為又は客と一緒に歌う。

ただし、客の近くに位置せず、不特定の客に対し歌うことを勧奨し、又は不特定の客の歌に対し拍手をし、若しくは褒めはやす行為、不特定の客からカラオケの準備の依頼を受ける行為又は歌の伴奏のため楽器を演奏する行為等は、接待には当たらない。

(4)客と一緒にダンスをさせる。

但し、ダンスを教授する十分な能力を有する者が、ダンスの技能及び知識を修得させることを目的として客にダンスを教授する行為は、接待には当たらない。

以上が接待の定義です。

自動車と自転車の違いみたいなもの

自動車を運転するには公安委員会の運転免許が必要です。もし無免許運転が発覚したら逮捕罰金ということになりえます。つまり重大な犯罪行為です。

しかし、自転車を運転するための免許制度はありません。法律に基づいて防犯登録を行う義務があい、安全運転をこころがければよいのです。

無免許運転は重罪ですが、防犯登録義務は努力義務です。

風俗営業も同様で、営業を行うにあたっては公安委員会の許可を受ける必要があり、無許可で風俗営業を行うことは、無免許運転を行うことと似たようなことなのです。

一方で、深夜酒類提供飲食店営業は、営業開始前に公安委員会に届出を行う義務がありますが、営業自体は禁止されていないので、許可がなくても営業できるのですが、営業開始10日前までに公安委員会に届け出る義務があるのです。

深夜酒類提供飲食店営業開始届け出義務違反罰金刑の対象となりえますし、飲食店営業としての行政処分の対象ともなりえますから、どちらも犯罪であることには変わりませんが、無許可営業の方が、罰則も、実際の取締りの厳しさも圧倒的に強いのが現実です。

fuei.sblo.jp

本当に接待をしないの?

ですので、これに該当しないように営業して、警察関係の人が店に立ち入っても、接待営業をしているという疑いをもたれない自信があるということなら、風俗営業許可を取らないでもよいでしょう。

ただし、私の経験からの忠告ですが、営業開始当初は接待しないで営業していても、時間が経つうちに忘れてしまって、ある日、警察の摘発を受けてしまったという話を何度も聞きました。

店のオーナーがしばらく目を離したすきに、ママさんが勝手に接待をするようになっていたというケースもよくあります。

逮捕経験がない人は、とかく警察を甘く見る傾向があって、言葉でしつこく説明したくらいではわかってくれないもの。しかし、いま悩んでいるなら、風俗営業許可を取ることをおすすめします。

thefirm.jp

www.police.pref.kanagawa.jp

 

のぞみ合同事務所お問合せ

のぞみ合同事務所お問合せ